(直前のエントリ『これからのWillcomとSoftBank その1』の続きです。読んでない方はそちらからどうぞ。(*゚ー゚))
『これからのWillcomとSoftBank その2』
ソフトバンクがウィルコムという借金たくさんの会社を引き受ける魂胆はメリットは何かとういうお話からです。
とりあえず簡単にまとめると以下の3点。
当初から予定していたXGP取り込み
XGPは、2.5GHz帯の電波を使って高速無線通信が出来るサービスで次世代PHSとして華々しくデビューする予定でした。上り下り最大20Mbps(速っ!)、現在東京の山手線のあたりでしか使えません(狭っ!)。今回の実質破産の理由に「XGPの設備投資で借金まみれになっちゃったよぉ」と何ともトホホな事をあげています。
で、XGPですが、2.5GHz帯は大手通信会社は使えない事になっているので直接ソフトバンクは手出しできない(総務省だかの意向)。だから支援だサポーターだとかいうわけですよね。買収したり子会社にしたら2.5GHz帯は使えなくなっちゃう。やり方としてはXGPの新会社を作って、そこに1/3出資という形だったわけ。(1/3までしか出してはいけない)
(ちなみにauは自分が出資する別会社を作って権利を勝ち取った。ソフトバンクは競り負けたという過去を持つ。)
これが一番のメリットですよね。実質2.5GHz帯を使う権利を持ったということですから。
今のところ具体的な発表が無いから、どうなっちゃってるの?って感じですが。次のアンテナの話もそれだけでは弱い気がするし…コレ以外にお金を出してくれる理由が無い。何かする気ですよね、孫社長。
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ウィルコムの基地局をもらう
これはすでに具体的に話は出てますけど。ウィルコムの基地局にソフトバンクのも置いちゃうよってこと。
ウィルコムの基地局は全国に16万局あるらしいので(現実問題としてどれだけ置けるのかはわからないけど)、ソフトバンクのアンテナずいぶんたくさん増やせそうです。800MHz帯が使えないソフトバンクとしては、少しでもアンテナを増やしてカバーするしかないのが現状だもんね。(docomoとauは2GHz帯と800MHz帯を使う権利を持っているが、ソフトバンクは2GHz帯だけ。「ソフトバンクは電波が弱い~」と言われちゃう所以。)
ソフトバンクの電波状態が改善されればいいですよね。そしたら皆安心してiPhoneを買えるんですよ~。
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で、今回PHS事業まで支援することなりました。
さすがに本当の意味で支援するわけないですよね。
「PHS事業をもり立てて、皆に使ってもらって、シェア増やして、willcom再建頑張ってよ、お金なら出しちゃうからさ。」ってそんなわけ無いじゃないですか。
そんなの、どれだけお人好しなんだか。慈善事業団体じゃないんですから。ありえません。ないない。
医療系のPHSや会社で導入しているPHSあたりを上手いとこ切り取って、残りの個人ユーザーは「ソフトバンクへいらっしゃい(´∀`*)ノ」ってことですよぉ。
下手したら、医療系さえ残らないかもしれないですねぇ。はぁ。(´・ω・`)
ウィルコムユーザーの取り込み
普通に考えると、ソフトバンクのシェア19%にウィルコムの3%を足しても21%。皆がソフトバンクに流れるわけじゃないから、顧客取り込みのセンは微妙かなと思うかもしれません。
どれくらいの人がソフトバンクに流れるでしょうか?
こんな状況でもウィルコムを使っている人たち大きく分けると2種類(会社でトランシーバー代わりに支給されてるような人は除いて、個人ユーザーで)
・安いだけじゃなく他に魅力(固執してること)があるので使っている。
・とにかく安いとこがいい。
(そもそも3%のシェアってことはですよ、『何となく』っていう理由では使いませんよね。Macもしかり。そこに何らかしらの理由がないと使い続けられないのです。)
前者の理由はPHS自体、端末、電話番号かえたくない等など複合的な要素であることが多い。いろいろとこだわりが強いので、ソフトバンクを受け入れるかどうかスパッと分かれそうです。
後者はソフトバンクに流れる可能性大です。使い方次第だけとソフトバンクもそれなりに安いから。
まあ、パーセンテージは少ないですが、せっかく支援するのです。ここは1%でも2%でも自分のところ(ソフトバンク)に来て欲しいはずです。仮に1%弱の100万人がソフトバンクに流れたとして毎月1500円落としてくれれば15億円です。うひゃー。一年で180億円です。これに対して顧客の増えた分にかかる費用はそんなにかからないはずです。
なので、そのうち何かキャンペーンを打ち出すことでしょう。(私はナンバーポータビリティが出来たらソフトバンクにしちゃいますね。iPhone、iPhone。o(´∀`)o)
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まとめ
SoftBankにとってWilcomがお買い得だったかどうかは、結果が出てみないとわからないのですが、この出資金とチャンスを無駄にしないために、近いうちに孫社長はXGP関連もしくは2.5GHz帯関連で何か仕掛けて来るでしょう。(XGPは2.5GHz帯を使った通信の1つです。XGPの権利≠2.5GHz帯使用権利ではないのが具体的発表の無い理由かもね。)
で、Willcomはどこへ行くのか?結論
突然なくなることはないけれど(あったら388万2800人のユーザー達の動乱「Willcom平成の乱」が起こる、そうならないための事業再生支援)、どう考えても数年のうちに衰退。うまくすれば限定した分野で残るがもちろんソフトバンク系列。
ああ、誰でも思いつくところに来ちゃった。
世の中の3%、388万2800人のウィルコムユーザーの皆さんもだいたい同じ予想してます。(`・ω・´)ノたぶん。
今回ソフトバンクが全面サポーターになってもならなくても、PHS事業は縮小していくとは思うんですけどね。
知ってますか? 沖縄のWillcom限定で行われている『だれとでも定額』。
これ、どこのキャリアに描けても10分以内なら月980円の定額サービスなんです。もちろんプラス基本使用料がかかります。回数制限があって月1000回まで。1000回って(笑)。 とにかく恐ろしいほどリーズナブルなサービスでしょ? これが8月から全国でも始まるってウワサがあったんですよね。
実施されたら、ミラクルが起きるか自滅するか、何らかしらあったんでしょうけど。どっちに転んでも一花咲かせられたハズ。残念!
ソフトバンクが出資するんだから、こんなこと(だれとでも定額)やれるわけないし。
やはり、このまま数年で衰退ですか…。
私はHYBRID W-ZERO3というスマートフォンを使っていて、それにdocomoの3GのSiMが入っているんですよ。それをチョキチョキしてiPhone 4にさしてfoma網で使ってみたいとか思ってたんですよね。今、ウィルコムはdocomoの回線を借りて3Gのサービスをしているのだけど、その期限が2012年の12月まで。あと2年ちょっとの間ソフトバンクが許してくれるかな~? 甚だ疑問です。仮にiPhone 4を入手したとしても、すぐにdocomoの3Gが使えなくなったら切ないです。
いくらコアなファンがいたって、ユーザーが頑張ったってどうにもなるわけでもないので、しばらくは様子見でしょう。(実際ドコモやauに興味があるわけでもないし、Willcom相当安いし。)
別に海に浮かんでる船って事ではないですもん。早く逃げ出さないと沈没して一緒に沈むとか、ボートの数が決まっているってわけじゃないですから。しばらく待っていれば、おそらくなんらかしらの救済措置(他のキャリアに移行したくなる、してもいいかなと思うようなサービス)があるはずで。そこで「機を見るに敏!」とばかりにどこかへ移ればいいかな~(・∀・)と思います。
しつこいけどMNP(ナンバーポータビリティ)希望。出来ればメールアドレスも変わらないで使いたい。で、iPhoneになるなら即変えちゃうんだけど。(←あなた、そればっかりね)
要は『電話番号変わりました、メール変わりました』連絡が嫌なんですよね。
今、電話帳には400件くらい個人の連絡先が入っている訳ですよ。最近会ってないけど昔の知り合いとか、どこまで送れば良いか悩むじゃないですか? 「あの人に連絡するならこの人にもしとかないとマズい」とか。「私の友人はここまでです」と自分で線引きしなきゃいけないわけで。そういうことは苦手なんですよね。
本当に本当に大事な人だけだったら20人くらいしかいないような気がするし、次の区切だと300人くらいには連絡しないと。
皆さんは、どうしてるんでしょう?? 私は想像するだけで頭がぐるぐるします。
個人的には安さと音の良さと、メールサービスがどこよりも早く導入されたとか、スマートフォン端末を先駆けて出したとか、そんなPHSが好きだったわけです。
ずっと使い続けていたから愛着あるし。なくなっちゃうのはさみしいなあ。
書いてて過去形なのがよけい寂しいなぁ。(´;ω;`)
<おわり>
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